建設業においてユンボやダンプなどの建設機械(重機)は、現場作業の効率化に欠かせない重要な設備です。しかし、これらの機械は1台あたり数百万円以上と非常に高額で、複数台まとめて購入する場合には多大な資金が必要となります。全額を融資でまかなおうとすると、返済負担が経営を圧迫し、事業の安定に影響を及ぼすリスクもあるため、慎重な資金計画が求められます。
そんな中で注目されているのが、建設機械の購入に利用できる各種補助金制度です。補助金を活用すれば、導入コストの一部を賄い、経済的な負担を軽減することが可能です。
本記事では、建設機械の購入に適用できる主な補助金の種類や申請時のポイントをわかりやすく解説します。これから重機の導入を検討している事業者の方は、ぜひ参考にしてください。
建設機械(重機)の購入が対象経費になる補助金とは?
建設機械(重機)の購入には、多大なコストがかかります。最適な補助金を活用して経済的な負担を少なくするべきでしょう。
この章では、建設機械の購入を補助対象経費にしている補助金を4種類紹介します。
自社に適した補助金は何か考えてみてください。
新事業進出補助金
新事業進出補助金は、企業の成長・拡大に向けた新事業への挑戦を支援する制度です。これから建設業をスタートさせたいと考えている方は、新事業進出補助金の活用を検討すると良いでしょう。
項目 |
内容 |
補助対象者 |
既存の事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を目指す中小企業など |
補助上限額 |
従業員数20人以下 2,500万円 従業員数21〜51人 4,000万円 従業員数51〜100人 5,500万円 従業員数101人以上 7,000万円 ※補助下限額750万円 ※大幅賃上げ特例適用事業者は補助上限額の上乗せあり |
補助率 |
1/2 |
補助対象経費 |
機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費 |
新事業進出補助金は補助上限額が高額な補助金として魅力的ですが、既存事業での活用は難しいと考えてください。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業などが行う革新的な製品・サービスの開発や生産性向上に必要な設備投資を支援する制度です。
補助金には製品・サービス高付加価値化枠とグローバル枠の2種類があり、さまざまな種類の経費が対象になります。
項目 |
内容(製品・サービス高付加価値化枠) |
補助対象者 |
日本国内に本社を置き、国内市場向けに事業展開を行う中小企業・小規模事業者 |
補助上限額 |
従業員数5人以下 750万円 従業員数6〜20人 1,000万円 従業員数21〜50人 1,500万円 従業員数51人以上 2,500万円 ※大幅賃上げ特例適用事業者は補助上限額の上乗せあり |
補助率 |
中小企業1/2・小規模事業者及び再生事業者2/3 |
補助対象経費 |
機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウ ドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 |
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者などが今後直面する制度変更に対応するための取り組みに対して必要な経費の一部を補助する制度です。
補助上限額は少額であるものの、補助率は2/3に設定されています。建設業の場合には、従業員が20人以下の事業者が対象です。
項目 |
内容 |
補助対象者 |
会社及び会社に準ずる営利法人・個人事業主・一定の条件を満たした特定非営利活動法人 |
補助上限額 |
50万円 ※大幅賃上げ特例150万円上乗せ ※インボイス特例50万円上乗せ |
補助率 |
2/3 |
補助対象経費 |
機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費 |
高度安全機械等導入支援補助金
高度安全機械等導入支援補助金は、車両系建設機械などに取り付ける高度な安全性能を有する特定の安全装置を購入する事業者を支援する補助金です。指定された補助対象機械の導入に対しての補助を受けられます。
項目 |
内容 |
補助対象者 |
建設業許可を有する企業のうち以下を満たすもの 建設業その他:資本金が3億円以下または従業員数300人以下 卸売業:資本金1億円以下または従業員数100人以下 サービス業:資本金5,000万円以下または従業員数100人以下 小売業:資本金5,000万円以下または従業員数50人以下 |
補助上限額 |
補助対象の安全装置1機あたり個別に設定 |
補助率 |
1/2 |
補助対象経費 |
積載形トラッククレーン・油圧ショベル・ホイールローダー・締固め用機械 |
建設機械(重機)を補助金で購入する時のポイントと注意点とは?
先ほど紹介したような補助金制度を活用すれば、高額な建設機械(重機)を購入する際の費用負担を軽減できます。しかし、補助金を建設機械に使う時には、以下のようなポイントと注意点を把握しておきましょう。
ダンプなどトラックの購入が対象外になる補助金もある
補助金制度は、公道を走る車両であるダンプなどのトラックを補助対象外にしているものが多いです。
この記事で紹介した4種類の補助金も「車両・運搬具」を補助対象外にしています。ただし、条件を満たすことで一部の費用が補助対象になる可能性もあるため、用途も合わせて直接問い合わせをしてみましょう。
ブルドーザーやトラクターは補助対象になる可能性がある
同じ車両でも、ブルドーザーやトラクターのような作業用車両は、補助金の対象になる可能性があります。
しかし、ナンバープレートをつけて公道を走れる状態にすると、対象外になるリスクが上がります。対象の有無を特定するには、用途や特定の事業以外に活用可能な状態であるかというポイントなどの要素が関係するのです。
旧式のユンボなどの導入は採択を得にくい
多くの補助金では業務効率化や生産性の向上を目的として、最新の機器の導入を促しています。そのため、旧式のユンボなどの建設機械の導入のために補助金申請をしても、採択を得られる可能性が低いと考えてください。
建設機械の導入に補助金を活用したいと考えている事業者は、この機会に最新の機器の導入を検討しましょう。
多くの補助金の採択率は高くない
制度によって異なるものの、補助金の採択率は過半数以下であるケースも多いです。そのため、時間をかけて申請作業をしても、補助金を受け取れない可能性があると考えてください。
補助金申請の採択率を高めるためには、必要書類を完璧に揃えるだけでなく、他社との差別化・自社の独自性や将来性をアピールできると良いでしょう。
補助金申請時に重要な役割を果たす事業計画書の作成をプロに依頼する・質が高いテンプレートを活用するなどの方法が効果的です。
まとめ:ダンプやユンボ等の建設機械(重機)導入の補助金をご紹介!
いかがでしたか?今回の内容としては、
・建設機械(重機)の導入に活用できる補助金は複数ある
・ダンプを含む公道を走るトラックは補助対象外になる可能性が高い
・ブルドーザーやトラクターなどの特殊車両は補助対象になる可能性が高い
・旧式ユンボなど最新式ではない建設機械(重機)の補助申請は採択を得ることが難しい
以上の点が重要なポイントでした。建設機械(重機)は高額であり複数台を購入する際には、さらにハードルが上がります。補助金を上手に活用すれば、建設機械導入時に事業者が負う負担を大幅に減らせるでしょう。この記事を参考に、自社が使いやすい補助金はないか探してみてください。
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