人手不足や生産性の向上といった課題に直面する中小企業にとって、「省力化」は今や経営の重要なキーワードです。そんな中、国が支援する「中小企業省力化投資補助金」を活用すれば、省力化を目的とした設備やシステムの導入費用の一部を補助してもらうことができ、経営改善に大きく貢献します。
本記事では、中小企業省力化投資補助金とは何かをテーマに、補助金制度の仕組みや申請要件、メリットなどをわかりやすく解説します。自社の業務効率化や人手不足解消を図りたい方は、ぜひ参考にしてください。

中小企業省力化投資補助金とは?
中小企業省力化投資補助金とは、少子高齢化が進む今の社会で人手不足の課題を抱えている中小企業の成長を促す制度です。中小企業省力化投資補助金を活用すれば、ロボット・IoTなどの省力化機器を導入する際に係る費用の補助を受けられます。
中小企業省力化投資補助金の目的
中小企業省力化投資補助金は人手不足・生産性が向上しないなどの問題を抱える企業に対して、IT機器を含む省力化機器の導入を支援します。日本にある企業の9割以上は中小企業です。そのため、効果的な機器の活用で中小企業の事業が省人化・省力化すれば、社会的な人手不足の問題を解決に促せると考えてください。
中小企業省力化投資補助金には一般型とカタログ注文型がある
中小企業省力化投資補助金には一般型・カタログ注文型の2種類が存在し、それぞれは用意された要件や補助上限額などが大きく異なります。
|
一般型 |
カタログ注文型 |
投資内容 |
オーダーメイド性を持つ多様な省力化投資 |
簡易で即効性を持つ省力化投資 |
補助対象 |
個別の現場に合わせた設備導入やシステム構築 |
カタログに掲載された省力化効果がある汎用製品 |
補助上限額 |
最大1億円 |
最大1,500万円 |
両者の違いについては、次の章で詳しく説明しましょう。
中小企業省力化投資補助金の一般型とは?
まずは、中小企業省力化投資補助金の一般型について見ていきましょう。
中小企業省力化投資補助金一般型の要件
補助対象者は、中小企業・小規模企業者・小規模事業者・特定事業者の一部・特定非営利活動法人・社会福祉法人です。基本要件は以下を参考にしてください。
・労働生産の年平均成長率を+4.0%以上増やす
・1人あたりの給与支給総額の年平均成長率が地域の最低賃金の直近5年間年平均成長率以上である、または給与支給総額の年平均成長率を+2.0%増加させる
・事業所内最低賃金が地域のものより+30円以上(最低賃金引上げ特例適用事業者の場合を除く)
・次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している(従業員が21名以上の場合)
中小企業省力化投資補助金一般型の補助率と補助上限額
一般型の補助率・補助上限額は従業員数により異なります。
【補助率】
中小企業(補助金が1,500万円まで):1/2
大幅な賃上げを行う中小企業者(補助金が1,500万円まで):2/3
中小企業(補助金が1,500万円を超える部分):1/3
小規模企業者・小規模事業者・再生事業者(補助金が1,500万円まで):2/3
小規模企業者・小規模事業者・再生事業者(補助金が1,500万円を超える部分):1/3
【補助上限額】
従業員数 |
補助上限額 |
大幅な賃上げを行う場合の補助上限額 |
5人以下 |
750万円 |
1,000万円 |
6〜20人 |
1,500万円 |
2,000万円 |
21〜50人 |
3,000万円 |
4,000万円 |
51〜100人 |
5,000万円 |
6,500万円 |
101人以上 |
8,000万円 |
1億円 |
中小企業省力化投資補助金一般型の対象経費
一般型の対象経費は、以下のようなものです。
・機械装置・システム構築費(必須)
・技術導入費
・専門家経費
・運搬費
・外注費
・クラウドサービス利用費
・知的財産権等関連経費
中小企業省力化投資補助金一般型の申請期限
中小企業省力化投資補助金は第1回公募を終了し、第2回の公募を実施しています。
第2回公募のスケジュールは、以下を参考にしてください。
申請受付開始:2025年4月25日(金)
申請締切予定:2025年5月30日(金)
採択発表日:後日、事務局のホームページで案内
中小企業省力化投資補助金はいつまで続く?
中小企業省力化投資補助金は、少なくとも令和7年度(2025年度)内は継続が予定されており、年3~4回の公募が計画されています。現時点では終了時期は明示されておらず、政府の人手不足対策や中小企業支援の重点施策であることから、令和8年度(2026年度)以降も継続される可能性が高いと考えられます。
中小企業省力化投資補助金のカタログ注文型とは?
次に、中小企業省力化投資補助金のカタログ注文型について説明します。
中小企業省力化投資補助金カタログ注文型の要件
カタログ注文型の補助対象者は、人手不足の状態の中小企業等です。具体的には、中小企業等・販売事業者・製造事業者・工業会が補助の対象になります。
基本要件は以下を参考にしてください。
・補助事業終了後3年間、申請時と比較して毎年労働生産性の年平均成長率を3.0%以上向上させる事業計画書を策定・採択後は実行する
・事業場内最低賃金を45円以上増加させる・給与支給総額を6%以上増加させる事業計画を作成した企業は、賃上げ要件を達成する
中小企業省力化投資補助金カタログ注文型の補助率と補助上限額
カタログ注文型の補助率・補助上限額は従業員数により異なります。
【補助率】
1/2以下
【補助上限額】
従業員数 |
補助上限額 |
賃上げ要件を達成した場合の補助上限額 |
5人以下 |
200万円 |
300万円 |
6〜20人 |
500万円 |
750万円 |
21人以上 |
1,000万円 |
1,500万円 |
中小企業省力化投資補助金カタログ注文型の対象経費
カタログ注文型では、用意された製品カタログから省力化に効果的な汎用製品を選択・導入しなければいけません。また、補助の対象になる経費は、製品本体価格と導入に要する費用のみです。
・機械装置
・工具
・器具
・専用ソフトウェア
・情報システム
・省力化製品の設置作業に必要な費用や運搬費
・導入した製品の動作確認に必要な費用
中小企業省力化投資補助金カタログ注文型の申請期限
中小企業省力化投資補助金カタログ注文型は、通年で申請を受け付けており、いつでも申請できます。採択・交付の決定も随時行われています。
中小企業省力化投資補助金を活用するメリットとは?
中小企業省力化投資補助金を導入した企業は、次のようなメリットが得られます。
中小企業省力化投資補助金のメリット1.生産性を向上できる・人手不足の問題を解決できる
中小企業省力化投資補助金を活用して新たな設備や機器を導入することで、生産性の向上が図れ、人手不足の解消につながります。これまで人の手で行っていた作業を機械に任せることで、従業員をより付加価値の高い業務へとシフトさせることが可能になります。労働力人口の減少が深刻化している今、企業は常に業務の効率化を意識し、持続的な成長を目指すことが求められているのです。
中小企業省力化投資補助金のメリット2.従業員満足度を高められる
生産性の向上によって業務の効率化が進めば、残業の削減や賃上げの実現といった好循環が期待できます。こうした取り組みにより従業員満足度が高まり、優秀な人材の確保・定着にもつながります。特に、スキルや経験のある社員が他社へ流出するリスクを抑える効果も期待できるでしょう。
まとめ:中小企業省力化投資補助金とは?一般型やカタログとは?いつまで続く?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・中小企業省力化投資補助金とは、省力化を目的とした設備・機器の導入を補助するもの
・中小企業省力化投資補助金がいつまで続くかについて、現時点では終了時期は明示されていない
・中小企業省力化投資補助金には、一般型とカタログ注文型がある
・中小企業省力化投資補助金を活用すれば、生産性の向上が進み人手不足の問題を解決できる
以上の点が重要なポイントでした。中小企業省力化投資補助金を活用して、自社の省力化を成功させる設備・機器を導入しましょう。
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