建設業や製造業のものづくり補助金活用について

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が革新的な製品・サービスの開発や生産性向上、さらには事業の持続的成長を図るための設備投資等を支援する制度です。2013年の開始以来、公募が複数回にわたり行われており、現在では複数の枠組みが設定されています。

製造業や建設業など、補助金を活用することで新しい設備やシステム導入時の初期費用を軽減できるのが特徴です。この記事では、建設業・製造業でものづくり補助金を申請する際の基本情報や活用事例、メリット、注意点、申請のポイントについてわかりやすく解説します。
 

 

 

ものづくり補助金の基本的な情報とは?

まずは、ものづくり補助金の基本的な概要を説明します。ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者などが制度変更への対応・革新的サービスの開発・生産性の向上を目的とした設備投資などを支援する制度です。

ものづくり補助金の補助額と補助率

ものづくり補助金には「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」の2つの分類があり、それぞれ補助上限額と補助率が異なります。


【製品・サービス付加価値化枠】

革新的な新商品・新サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資などを支援する分類です。

補助上限額は、以下を参考にしてください。

・従業員数5人以下:750万円

・従業員数6〜20人:1,000万円

・従業員数21〜50人:1,500万円

・従業員数51人以上:2,500万円

補助率は中小企業で1/2、小規模企業と小規模事業者は2/3です。

補助対象経費は、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウ

ドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費となっています。


【グローバル枠】

海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資などを支援する分類です。補助上限額は3,000万円、補助率は中小企業で1/2、小規模企業と小規模事業者は2/3です。

補助対象経費は、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウ

ドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費(グローバル枠のうち、海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ)海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費となっています。
 

ものづくり補助金の特例措置

ものづくり補助金には、以下のような特例措置が用意されています。

▼大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例

大幅な賃上げに取り組む事業者に対して補助上限額を引上げ

補助上限引上げ額:

従業員数:

5人以下 100万円

6〜20人 250万円

21〜50人 1,000万円

51人以上 1,000万円


▼最低賃金引き上げに係る補助率引上げの特例

所定の賃金水準の事業者が最低賃金の引上げに取り組む場合、補助率を引上げ

引上げ後補助率:2/3


ものづくり補助金活用事例とは?

建設業・製造業でものづくり補助金の採択を受けた企業では、次のように補助金を活用しています。


建設業のものづくり補助金活用事例

  • 業務システムの統一による効率化

異なるシステムを使用していたため、入力ミスや修正作業が多発していました。ものづくり補助金を活用し、発注元・連携先と同一のシステムを導入。データ形式の統一によりミスが減少し、人件費も削減。大規模案件への対応力が向上し、売上拡大につながりました。

  • 鉄筋自動曲装置の導入

高強度鉄筋の加工に時間がかかり、受注数に限界がありました。ものづくり補助金を活用し、鉄筋自動曲装置を導入。生産力が1.6倍に向上し、操作が簡単なため未経験者でも対応可能に。若手技能者の育成にも注力できるようになりました。

  • 四面自動鉋盤の導入による作業効率化

丁寧な家づくりをテーマにしていましたが、現場作業の短縮化が課題でした。ものづくり補助金を利用し、四面自動鉋盤を導入。材木の上下左右すべてを1回の作業で切削可能となり、作業効率が大幅に改善。職人の負担軽減にもつながりました。
 

製造業のものづくり補助金活用事例
 

  • IoTを活用した生産効率の向上

設備稼働率の向上が課題でした。ものづくり補助金を活用し、IoTを導入。設備をネットワークに繋ぎ、生産管理の一元化と品質管理の可視化を実現。従業員の負担を減らし、成形リードタイムを30%削減しました。

  • 高性能ツイスター加工機の導入

プラズマ切断による切断面の粗さが課題でした。ものづくり補助金を活用し、IoT活用型最新設備の高性能ツイスター加工機を導入。加工時間が50%削減し、加工精度も大幅に向上。従業員の作業負担も減り、人為的なミスも解消されました。

  • IoT活用による溶接技術の高度化

溶接技術力の向上が課題でした。ものづくり補助金を活用し、IoTを導入。設計プロセスと連携し、溶接技術者の育成を強化。高付加価値化を実現し、製品の品質向上と生産性の向上につながりました。
 

建設業・製造業でものづくり補助金を活用するメリットとは?

建設業・製造業の企業はものづくり補助金の活用により、次のようなメリットが得られます。


新しい機材・設備導入時の初期費用の負担を軽減できる

ものづくり補助金を活用すれば、51人以上の従業員がいる企業では最大で2,500万円もの補助を受けられます。新しい機材や設備の導入には高額な費用が必要であるため、補助金の活用により費用的な負担を軽減できるでしょう。

特にコスト面が足枷となり新しい取り組みにチャレンジできない企業こそ、補助金の活用を検討するべきです。


競合他社との差別化・競争力の強化

ものづくり補助金を活用し、いち早く最新の設備を導入することは、競合他社との差別化・競争力の強化につながります。機材・設備導入が直接的な差別化にならない場合でも、大幅な作業効率の向上により他社に負けない競争力を得られると考えてください。


環境に配慮した機材・設備の導入による企業イメージの向上

最新の機材・設備の多くは、低燃費・電動など環境負荷を低減する性能を持ち合わせています。補助金を活用して環境配慮型の機材・設備を導入することで、環境保護に力を入れている企業としてアピールできるでしょう。

 

建設業・製造業でものづくり補助金を活用する時の注意点とは?

建設業・製造業でものづくり補助金の活用を考えている方は、以下の注意点を把握しておいてください。


車両の導入は補助対象外になる

業務上欠かせないものであっても、トラックなどナンバープレートを持つ車両には補助金が活用できません。補助対象になる経費・補助対象外の経費を把握した上で、ものづくり補助金の活用を検討してください。


旧式の機材・設備は採択を得られない可能性がある

ものづくり補助金などの補助金制度には、最新のデジタル機器を補助金により普及させようという狙いがあります。そのため、旧式の機材・設備の導入は採択を得ることが難しいと考えるべきでしょう。


採択を得るためのハードルは高い

ものづくり補助金の採択率は30%〜60%で、特に2024年公募からは採択率が低い傾向があります。

審査要件を満たすだけでなく、可能な限り加点を獲得できる準備をして審査に挑みましょう。


建設業・製造業でものづくり補助金の採択を得るポイントとは?

建設業・製造業の方がものづくり補助金を申請する際には、以下のポイントを知っておきましょう。採択率を上げるためには、十分な準備が必要です。


分かりやすい事業計画書を作る

補助金の審査員は、毎日膨大な量の事業計画書に目を通さなければいけません。そのため読みにくい・難解な事業計画書は、十分に内容を理解してもらえない恐れがあるのです。

事業計画書は読みやすさにこだわり、図や表も用いて的確かつ端的に情報を伝えられるものに仕上げてください。もちろん、事業計画の内容は実現可能なものでなければいけません。


加点項目を意識する

ものづくり補助金は、加点項目を満たすことで採択率が上がります。公募要項を読み込み、加点項目を十分理解した上で、加点項目に該当する要素を全て満たすようにしてください。

加点項目を得るためには追加の資料提出が必要になるケースもあることから、時間に余裕を持って申請作業を進めましょう。


専門機関の支援を受ける

補助金申請のプロである専門家に補助金申請の支援を依頼すると、提出書類や加点項目について細かなアドバイスを受けられます。また、ものづくり補助金の申請作業にかかる労力を大幅に節約できるでしょう。実績豊富な専門機関を活用することで、採択率を高められると考えてください。




まとめ:建設業や製造業のものづくり補助金活用について

いかがでしたか?今回の内容としては、

・多くの建設業・製造業の企業がものづくり補助金を活用している

・ものづくり補助金では機材・設備導入費用を支援してもらえる

・ものづくり補助金の採択を得るためには十分な準備やプロのサポートが必要

以上の点が重要なポイントでした。建設業・製造業でものづくり補助金を活用すれば、機材や設備投資の初期費用負担を軽減できます。費用の問題で新しいチャレンジに躊躇している企業は、ものづくり補助金の活用を検討してみましょう。


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