ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者の生産性向上を目的とした革新的な新商品・新サービス開発や、海外需要開拓に向けての設備投資・システム導入に活用できる補助金です。個人事業主も補助金の対象になります。
この記事では、個人事業主がものづくり補助金を申請する時のポイントと、採択を受けるコツをテーマにお届けしていきますのでぜひご覧ください。
個人事業主がものづくり補助金を申請する時の補助上限額とは?
ものづくり補助金の補助上限額は、従業員数によって異なります。そのため、個人事業主は受け取れる可能性がある補助金の額を事前に確認しておくべきでしょう。
ものづくり補助金の補助上限額と補助率
ものづくり補助金の補助上限額と補助率は、以下の表を参考にしてください。こちらは、製品・サービス高付加価値化枠のものです。
従業員数 |
補助上限額 |
5人以下 |
750万円 |
6〜20人 |
1,000万円 |
21〜50人 |
1,500万円 |
51人以上 |
2,500万円 |
小規模企業・小規模事業主及び再生事業者の補助率は2/3であり、100万円の補助下限額も設定されています。海外事業展開・拡大を目的としたグローバル枠では、従業員数に関わらず3,000万円が補助金上限です。また、大幅な賃上げに係る特例措置の対象になると、補助上限額の引き上げを受けられます。
小規模事業者の定義
ものづくり補助金では、個人事業主を含む小規模事業者を以下のように定義しています。
自社が小規模事業者に該当するか確認しておきましょう。
・製造業・その他:常時使用する従業員の数が20人以下
・商業・サービス業:常時使用する従業員の数が5人以下
・宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数が20人以下
補助金交付候補者として採択を受け交付決定までに上記の定義から外れた場合には、補助率が1/2に変更されます。交付決定から補助事業実施期間終了日までに定義から外れた場合も同様です。常時使用する従業員には、一定の条件(勤務日数・時間など)を満たすパート・アルバイトも含まれることがあります。社会保険加入状況などを基に判断されます。
個人事業主がクリアするべきものづくり補助金の基本要件とは?
個人事業主がものづくり補助金の申請をする時は、まず補助金の基本要件をしっかり確認するべきです。要件を満たしていなければ、補助金申請をしても採択を得ることができません。
ものづくり補助金に設定された基本要件は、以下の4点です。
・補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、事業者全体の付加価値額年平均成長率を3.0%以上増加させる
・補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、従業員及び役員の年平均給与支給総額の年平均成長率を2.0%以上増加させる
・補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、事業所内最低賃金を毎年、事業実施都道府県のものよりも30円以上高い水準にする
・次世代育成支援対策推進法に規定する一般事業主行動計画を策定・公表する(従業員が21名以上の場合のみ)
この要件を全て満たす事業者が、補助金の対象になります。
個人事業主がものづくり補助金を申請する時のポイントとは?
この章では、個人事業主がものづくり補助金を申請する時に知っておくポイントを紹介します。ものづくり補助金の活用を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
信憑性が高い事業計画書を提出する
事業計画書では、実現可能で基本要件をクリアできる計画を立てる必要があります。事業計画作成時のポイントは、ものづくり補助金の公募要項にまとめられています。
具体的には、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
・具体的な理由や根拠を示す
・定性的・定量的な情報を用いる
・自社の現状・自社が置かれている外部環境と内部環境を分析する
・自社の課題を明らかにして中長期的な計画を立てる
・自社の課題に対する具体的な課題解決策を示し、解決手段として本事業の説明をする
・事業の成果目標・達成手段を具体的に示す
・開発する製品やサービスの革新性について詳細に記載する
・事業の成果が寄与する具体的なユーザー・市場規模などを明確化する
また、ものづくり補助金の公式サイトでは、事業計画書の参考様式も提示されています。参考様式を活用すれば、質が高い事業計画書を作成できるでしょう。
事業を成功させるための社内体制を整える
事業計画書の信憑性を高めるために、事業実施に必要な社内体制を整えます。ものづくり補助金は、設定された要件を満たせなければ補助金の返還義務が生じます。
また、「事業計画書通りに事業を実行できる体制が用意されているか」という点は補助金の採択を左右するのです。特に人手不足の状態では、事業計画の実行を懸念される可能性があるでしょう。
ものづくり補助金申請時には、外注可能な業務は外注し、十分な人手が用意できていることをアピールしてください。ものづくり補助金では、事業達成のために必要な外注費も補助対象になる可能性があります。
補助金を受け取るまでの資金計画を立てる
ものづくり補助金は補助事業が終了してから補助金が交付されます。そのため、実際には資金が手元にない状態で事業を実施しなければいけません。
金融機関から融資を受けるなどの方法で、事業を実現可能な資金を用意できることをアピールしてください。補助金申請時には、明確な資金計画をまとめた書類を提出する必要があります。
補助金の加点項目と減点項目を把握しておく
ものづくり補助金は、応募要項で書面審査項目・加点項目・減点項目が明らかになっています。
【審査項目】
・補助事業の適格性:応募に必要な要件を満たしているか
・経営力:事業実現に適した経営目標が具現化されている
・事業性:補助金の要件をクリアする目標が設定されている
・実現可能性:事業に必要な技術力・体制などが用意されている
・政策面:地域の雇用に対する経済的波及効果が期待できる
【加点項目の一例】
・有効な経営革新計画の承認を得ている
・パートナーシップ構築宣言を公表している
・再生事業者
・DX認定を取得している
・健康経営優良法人2025に認定されている
・技術情報管理認証を取得している
・J-StartupまたはJ-Startup地域版に選定されている
・新規輸出一万者支援プログラムポータルサイトに登録している
・事業継続力強化計画を取得している
【減点項目の一例】
・過去に採択された事業が未実施・不備がある
・補助金の要件が未達成である
・加点項目が未達成である
・他の補助事業の事業化が進展していない
このような項目を理解した上で適切なアピールができれば、個人事業主の方もものづくり補助金の採択率を高められるでしょう。
まとめ:個人事業主のものづくり補助金申請のポイント!採択されるには?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・ものづくり補助金は個人事業主も申請できる
・ものづくり補助金の補助上限額は従業員数によって異なる
・ものづくり補助金を申請する前には、用意された要件を十分確認すること
・ものづくり補助金申請時のポイントは、実現可能な事業計画を立てて加点項目・減点項目を把握した上でアピールすること
以上の点が重要なポイントでした。個人事業主の方は、ものづくり補助金を活用することで新しい取り組みや海外進出時にかかる費用負担を少なくできます。補助金申請時に知っておくべきポイントを理解し、ものづくり補助金の採択を目指しましょう。
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