新事業進出補助金は民泊やゲストハウスに活用できる?個人事業主も利用可能?

新事業進出補助金は、中小企業が既存の事業とは異なる新市場・高付加価値事業に進出する時にかかる設備投資を支援する制度です。補助金を活用することで、新商品や新市場にチャレンジする際に必要になる費用負担を軽減できるでしょう。

今回の記事では、新事業進出補助金が民泊やゲストハウスに活用できるのか?個人事業主も対象となるのか?という疑問点について説明します。新事業進出補助金の活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。



新事業進出補助金とは?

まずは、新事業進出補助金についての基本的な情報をまとめます。


新事業進出補助金の対象者

新事業進出補助金の対象者には細かな規定が設けられています。資本金と常駐従業員数は業種ごとに上限が設定されています。例えば、製造業の場合は資本金3億円・常勤従業員数は300人までが上限です。中小企業者以外の法人として、従業員数が300人以下の一部の法人も対象になります。

また、特定業種の一部は資本金の総額が10億円まで引き上げられるため、自社が対象になるか分からないという方は、直接事務局に問い合わせてみると良いでしょう。


新事業進出補助金の補助上限額・補助率

 

新事業進出補助金の補助上限額は1/2となっており、従業員数によって補助上限額が異なります。

・従業員数20人以下:2,500万円

・従業員数21〜50人:4,000万円

・従業員数51〜100人:5,500万円

・従業員数101人以上:7,000万円

また、大幅賃上げ特例適用事業者は、補助上限額が上乗せされます。補助下限額は従業員数に関わらず750万円です。

新事業進出補助金は個人事業主も利用可能?

新事業進出補助金は中小企業を対象とした制度ですが、個人事業主を含む比較的規模が小さい事業者も対象としています。


個人事業主も対象になるものの従業員がいなければ対象外

新事業進出補助金は、従業員が0名の個人事業主を補助対象外として設定しています。同様に、会社役員のみの法人も対象にならないことを知っておきましょう。

常時使用する従業員の定義は、労働基準法第20条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」を指します。そのため、アルバイト・パート・派遣社員・契約社員・非正規社員及び出向者は個別の判断が必要です。


新事業進出補助金は民泊やゲストハウスに活用できるのか?

新事業進出補助金は、民泊やゲストハウスに活用できるのでしょうか?


民泊とゲストハウスの違い

まずは、民泊とゲストハウスの違いを知っておきましょう。民泊とゲストハウスはどちらもサービス面を最低限に留めることで、宿泊費用を安価に設定する宿泊施設を指します。

旅館やホテルと比較すると、食事やアメニティの提供がないだけでなく、トイレやシャワールームが共用になるケースも多いでしょう。このように、民泊とゲストハウスは似た宿泊施設ですが、年間で許可される営業日数に違いがあります。

民泊は最大で180日までしか営業ができないのに対して、ゲストハウスは365日間営業可能です。民泊とゲストハウスは適用される法律が異なるため、このような違いが生まれます。

民泊・ゲストハウスの開業のための新事業進出補助金を活用することは難しい?

民泊・ゲストハウスを単純に始めるために、新事業進出補助金を使うことは難しいと考えられています。なぜなら、新事業進出補助金では建築・購入した施設や設備を特定の第三者に長期間賃貸させるような事業を、補助対象外事業として提示しているためです。

下記引用文―

建築又は購入した施設・設備を自ら占有し、事業の用に供することなく、特定の第三者に長期間賃貸させるような事業。

引用:中小企業新事業進出補助金

民泊やゲストハウスでの新事業進出補助金活用の可能性について

建築又は購入した施設・設備を自ら占有し、事業の用に供することなく、特定の第三者に長期間賃貸させるような事業。

ということは、「自分で施設を事業に使わず、誰か特定の相手にずっと貸し出すだけ」のビジネスは補助対象外ですよ、という意味として、「長期間・一括で特定の第三者(例:ある企業や法人など)に転貸するだけ」の場合はNG。民泊・ゲストハウスのように、自ら宿泊サービスを提供する場合は該当しない可能性もあります。

つまりは、現時点で民泊・ゲストハウスの開業のための新事業進出補助金を活用することは難しいと考えられていますが、補助金の目的や要件を理解し、事業計画を工夫することで活用できる可能性もあるといえます。単に民泊やゲストハウスを開業するだけでなく、既存の事業と組み合わせたり、地域資源を活用したり、新たな付加価値を生み出すような事業計画が求められます。


「賃貸型民泊」のような事業は、補助金の対象外となる可能性が高い

純粋な「賃貸型民泊」のような事業は、補助金の対象外となる可能性が高いと考えられます。

そのため、民泊やゲストハウスで申請する際には、単なる宿泊施設の提供に留まらず、明確なコンセプトや付加価値を持たせ、「新事業」としての新規性や成長性を示すことが不可欠です。例えば、以下のような事業計画は採択される可能性を秘めています。

・カフェや食堂、個室サウナなどを併設し、複合的なサービスを提供するゲストハウス

・地域特産品の販売や体験プログラムを組み込んだ民泊

・最新のIT技術(無人チェックインシステム、スマートロックなど)を導入し、省力化と顧客体験向上を図る施設

・ゲストハウスを改装し、工芸品を販売するミュージアムを併設


新規事業進出補助金の採択を得るコツとは?

この章では、新規事業進出補助金の採択を得るコツを見ていきましょう。


質が高い事業計画書を作成する

新事業進出補助金の採択で重要な役割を果たす事業計画書は、補助対象の事業計画を明確に説明できるものでなければいけません。提供するサービスや商品のみでなく、役割分担やスケジュールについても分かりやすく説明してください。さらに、計画書の内容は表や画像を用いて視覚的に優れたものにするべきです。


市場や競合と差別化する

聞いたことがあるような提案やどこにでもある計画では、新事業進出補助金の採択を得られる可能性が下がります。競合や市場を徹底的に分析し、自社のサービス・商品が優位なポイントを見つけ出し他社と差別化しましょう。





プロに補助金申請を支援してもらう

新事業進出補助金に関わらず、補助金の申請には多くの手間と時間がかかります。また、採択率を上げるためのテクニックも求められるでしょう。

補助金申請のプロを活用すれば、補助金申請にかかる労力を最小限に抑えて採択を得る可能性を高められます。新事業進出補助金の申請に不安を感じている方は、豊富な実績と経験を持つ業者に相談してみてください。


まとめ:新事業進出補助金は民泊やゲストハウスに活用できる?個人事業主も利用可能?

いかがでしたか?今回の内容としては、

・新事業進出補助金は中小企業のみでなく個人事業主も対象になる

・単に新事業進出補助金を民泊・ゲストハウスの開業に使うことは難しいと考えられている

・他の要素を組み合わせれば、民泊・ゲストハウスに新事業進出補助金を使える可能性がある

以上の点が重要なポイントでした。新事業進出補助金を活用すれば、新事業や高付加価値事業にチャレンジする際の費用を支援してもらえます。この記事を参考に、自社の計画に新事業進出補助金を使えるか考えてみてください。


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