中小企業省力化投資補助金には、カタログ型と一般型があります。中小企業省力化投資補助金を申請しようと考えている事業者の方は、まずその違いを理解する必要があるでしょう。
また、同じように新しい設備を導入する際に活用できる「ものづくり補助金」と中小企業省力化投資補助金の違いが分かりにくいと感じる方もいるようです。この記事では、中小企業省力化投資補助金のカタログ型・一般型の違いとともに、ものづくり補助金との違いも紹介します。自社の新しい取り組みに活用できる補助金を探している方は、ぜひ最後までご覧ください。
中小企業省力化投資補助金一般型とカタログ型の違いとは?
中小企業省力化投資補助金には一般型とカタログ型の2種類のタイプが用意されており、それぞれ申請手続きや補助対象が異なります。補助金の申請を検討する際には、まず自社がどちらを選択するべきか考えなければいけません。
中小企業省力化投資補助金の一般型・カタログ型の違い一覧
中小企業省力化投資補助金の一般型とカタログ型の違いを表にしました。
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カタログ型 |
一般型 |
製品選択 |
国が指定したカタログから製品を選ぶ |
事業者が設備を選定する |
審査の難易度 |
比較的容易 |
省力化効果や投資の改修計画を明らかにする必要がある |
補助率 |
1/2以下 |
1/2〜2/3 |
補助上限額 |
200万円〜1,000万円 |
750万円〜8,000万円 |
賃上げ要件を 達成した場合 |
300万円〜1,500万円 |
1,000万円〜1億円 |
中小企業省力化投資補助金の一般型とカタログ型は公募の頻度も違う
中小企業省力化投資補助金のカタログ型は随時公募を受け付けているため、事業者が自分のタイミングに合わせて申請できます。しかし、一般型は公募期間が定められており、限られた期間のみにしか申請作業ができません。
中小企業省力化投資補助金の一般型とカタログ型のどちらがおすすめ?
中小企業省力化投資補助金の一般型とカタログ型のどちらが適しているのかという点は、事業者によって異なります。以下のポイントを参考にしてください。
導入したい設備がカタログ内に掲載されているならカタログ型
カタログ型は、文字通り用意されたカタログの中から導入する設備を選びます。そのため、希望する設備がカタログに掲載されていなければ意味がありません。まずカタログを確認し、自社に適した設備の有無を確認してください。
カタログ型には、以下のようなメリットがあります。
・審査手続きの手間が少ない
・審査のハードルが低い
・すぐに設備を導入できる
このような理由から、カタログ型を選択可能な状況にある事業者の方は、カタログ型を選ぶべきでしょう。
カタログの中に希望する設備がない場合には一般型
自社が希望する設備がカタログの中にない場合には、一般型を選ぶことになります。他の企業で需要が少ない特殊な設備は、カタログで扱われていないケースが多いです。
一般型はカタログ型よりも審査ハードルが上がる・審査の手続きの手間がかかるなどのデメリットは存在しますが、補助上限額が高額であることから、大規模な設備投資にも活用できます。
中小企業省力化投資補助金とものづくり補助金との違いとは?
中小企業省力化投資補助金と同じように、新しい取り組みのために新システムや機器を導入する際に使える補助金に、ものづくり補助金があります。この章では、両者の違いについて詳しくまとめました。
中小企業省力化投資補助金とものづくり補助金は目的が違う
中小企業省力化投資補助金とものづくり補助金は目的が異なる制度です。中小企業省力化投資補助金の目的:人手不足の解消・生産性の向上を目的としてデジタル機器を導入する際の費用を支援する
ものづくり補助金の目的:革新的な新商品・サービスの開発や生産プロセスの改善など、付加価値向上に対する取り組みを支援する中小企業省力化投資補助金は省力化による人手不足問題の解消や生産性の向上、ものづくり補助金は革新的な取り組みによる付加価値の向上を目指します。
結果的に、どちらの補助金を活用しても企業の生産性の向上など同じような成果が得られたとしても、根本的な目的は異なることを知っておきましょう。
中小企業省力化投資補助金とものづくり補助金は補助額違う
中小企業省力化投資補助金は最大で8,000万円、賃上げの特例が認められた場合は1億円もの補助金を受け取れます。しかし、ものづくり補助金の補助上限額は3,000万円です。
補助上限額のみを見ると、中小企業省力化投資補助金の方が大規模な事業に適していると言えるでしょう。
中小企業省力化投資補助金とものづくり補助金の採択率の違い
第1回目の中小企業省力化投資補助金の採択率は2025年6月16日に公開されました。一般型の場合は、申請数1,809に対して1,240の申請が採択を受けており、その採択率は約68%です。
それに対して、ものづくり補助金の採択率は30%台から50%台までの結果があり、平均して約45%の採択率だと言えるでしょう。中小企業省力化投資補助金とものづくり補助金を比較すると、中小企業省力化投資補助金の方が採択率が高い状態です。
しかし、中小企業省力化投資補助金の採択率は現段階で第1回しか提示されていないことから、今後変化する可能性があります。
中小企業省力化投資補助金とものづくり補助金のどちらが良いのか?
中小企業省力化投資補助金とものづくり補助金は目的が異なる補助金であるため、事業者が予定している事業の内容や補助を受ける経費の内容を決定した上で補助金申請を検討するべきです。
目的が新事業である場合はものづくり補助金
これまで培ったノウハウや技術を活用して、新しい事業を始めたいと考えている事業者の方は、ものづくり補助金の活用が適しています。
また、新機器を導入して現在の製造プロセスの生産性を高めたい・海外進出をして市場を広げたいなどのチャレンジも、ものづくり補助金の支援を受けられる可能性が高いでしょう。
業務を省力化して人手不足を解消したい時には中小企業省力化投資補助金
現在人手不足に悩んでおり、業務のデジタル化により業務効率の向上・省力化を考えている事業者には、中小企業省力化投資補助金が適しています。また、必要な設備が中小企業省力化投資補助金のカタログに掲載されている場合には、申請作業にかかる手間を最小限に抑えて補助を受けられるでしょう。
まとめ:中小企業省力化投資補助金の一般型とは?カタログやものづくり補助金との違いも紹介!
いかがでしたか?今回の内容としては、
・中小企業省力化投資補助金にはカタログ型と一般型がある
・中小企業省力化投資補助金のカタログ型ではカタログにない製品を選べない
・中小企業省力化投資補助金一般型は自由に製品を選べるが採択の難易度が上がる
・中小企業省力化投資補助金とものづくり補助金は目的自体が違う
以上の点が重要なポイントでした。中小企業省力化投資補助金一般型・カタログ型・ものづくり補助金のうち、自社に最適な補助金制度が分からないという方は、補助金に詳しい専門家にアドバイスを受けると良いでしょう。
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